是正勧告に気をつけよう!
 

経営者に皆さん、「是正勧告」と言う言葉を耳にしたことがありますか?知らないという経営者の皆さん危険ですよ。もしかしたらあなたの企業が狙われてかもしれませんよ!(ちょっと大げさですかね)

実は全国の労働基準監督署において、毎年、所轄の法人に対してランダム実施する調査があるのです。その調査目的を端的に言うと「経営者の皆さんきちんと労働基準法を守って事業を運営していますか?」ということです。その調査のメインとなるものは、ずばり「サービス残業の一掃」ですが、要はコンプライアンスですね。その役所調査で問題が発生した場合は、労働基準監督署は対象となった法人に対して是正勧告を行っているのです。

なんと2003年度の調査において、残業代の不払いの是正指導を受けて100万円以上支払った企業は1184社にのぼっています。このうち1000万円以上の残業代不払いの是正指導を受けた企業は236社ありその総額は約210億円に及んでいます。

「まさにかくれ債務といえます」

経営者の皆さん対岸の火事と思っていませんか?危険ですよ!役所の調査が入る前に

きちんと対策を練って準備しておきましょう。

(対策その1)

企業規模にあった就業規則等の作成又は見直しとその運用

(対策その2)

企業規模にあった賃金規程の作成又は見直しとその運用

(対策その3)

企業リスク最小限に抑えた効果的な労務管理手法の確立

2003年度、調査詳細】

厚生労働省においては、今般、平成15年4月から平成16年3月までの
1年間に、全国の労働基準監督署において、割増賃金が適正に支払われて
いないために、労働基準法違反として是正を指導し、その結果、1企業当
たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況を取りまとめた。
対象事案
  ・平成154月から平成163月までの間に、定期監督及び申告に基づく監
   督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の
   支払いが行われたもののうち、1企業当たり合計100万円以上の割増賃
   金の支払額となったもの。
  

割増賃金の是正支払の状況
  ・是正企業数は1,184企業、対象労働者数は194,653人、支払われた割増賃
   金の合計は2387,466万円である。
  ・企業平均では2,016万円、労働者平均では12万円である。
  ・そのうち、1企業当たり1,000万円以上の割増賃金の支払いが行われた
   事案をみると、是正企業数は236企業(全体の19.9%)、対象労働者数
   は147,660人(全体の75.9%)、支払われた割増賃金の合計額は210
   2,737万円(全体の88.1%)である。
  ・企業平均では8,910万円、労働者平均では14万円である。
  

業種別等の状況
  ・対象労働者数及び支払われた割増賃金額では製造業、企業数では商業
   が最も多くなっている。
  ・1企業での最高支払額は、642,927万円(製造業)で、次いで86,
   102万円(その他の事業)、78,300万円(製造業)の順である。
 
2)賃金不払残業(いわゆるサービス残業のこと。)の解消については、平成
  13年4月に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関
  する基準について」を策定し、重点的に監督指導を実施するとともに、さ
  らに平成15年5月には「賃金不払残業総合対策要綱」、及び「賃金不払
  残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」を策定し、その解
  消に取り組んでいるところである。
 
3)今後とも、重点的な監督指導の実施や本年11月を賃金不払残業キャン
  ペーン月間とすることなどによる指針の周知等に努め、賃金不払残業の
  解消を図ることとしている。

何でも相談室

厚生労働省「賃金不払残業総合対策要綱」のご紹介(参考)

賃金不払残業の解消を一層推進するため、次の対策を盛り込んだ「賃金不払残業総合対策要綱」(通称:サービス残業総合対策要綱)を取りまとめるとともに、下記1の指針を策定した。なお、要綱、指針ともに平成15年5月23日付けで都道府県労働局に通達した。

 「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の策定
 企業の本社と労働組合等が一体となって企業全体としての主体的な取組を促すことにより、賃金不払残業の解消を一層推進するために、新たに「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」(通称:サービス残業解消対策指針)(通達)を策定する。
 具体的には、

 労使に求められる役割

 職場風土の改革

 企業内チェック体制の整備

 労使の協力(企業内労使協議組織の設置)

 適正な労働時間管理を行うために事業主が講ずべき措置の徹底

などに関する記述を盛り込み、労使の理解と協力を求める。

 「賃金不払残業解消キャンペーン月間」の実施と労使に対する協力要請
 「賃金不払残業解消キャンペーン月間」に設定し、賃金不払残業の解消と労働時間管理の適正化のためのキャンペーン活動を実施し、労使の主体的な取組を促す。
 併せて、この時期に、賃金不払残業に係る重点監督を実施する。

 地域産業労働懇談会の場を活用した周知徹底等
 地域産業労働懇談会など都道府県単位で労使の参集を得る場を活用し、労働時間管理適正化の周知徹底と気運の醸成を図る。

 的確な監督指導等の実施と「賃金不払残業重点監督月間」の設定

(1)

 的確な監督指導等の実施
 労働時間適正把握基準の周知徹底を図るとともに、的確な監督指導を実施し、特に重大悪質な賃金不払残業については厳正かつ積極的な司法処分を行う。
 また、本社等において賃金不払残業の排除について一定の対策を行っているにもかかわらず問題がみられる企業については、監督指導時に、必要に応じて、労働組合等からも実態把握を行う。

(2)

 「賃金不払残業重点監督月間」の設定
 「賃金不払残業重点監督月間」と位置づけ、賃金不払残業に係る重点監督を実施する。

 賃金不払残業に係る事例等の収集・取りまとめ
 賃金不払残業に係る送検事例、是正事例等を収集・整理の上、取りまとめて公表することにより、労使当事者の意識改革と労使の主体的な取組を促す。

厚生労働省「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき
措置等に関する指針」のご紹介

 趣旨
賃金不払残業(所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせること。以下同じ。)は、労働基準法に違反する、あってはならないものである。
 このような賃金不払残業の解消を図るためには、事業場において適正に労働時間が把握される必要があり、こうした観点から、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき基準」(平成13年4月6日付け基発第339号。以下「労働時間適正把握基準」という。)を策定し、使用者に労働時間を管理する責務があることを改めて明らかにするとともに、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置等を具体的に明らかにしたところである。
 しかしながら、賃金不払残業が行われることのない企業にしていくためには、単に使用者が労働時間の適正な把握に努めるに止まらず、職場風土の改革、適正な労働時間の管理を行うためのシステムの整備、責任体制の明確化とチェック体制の整備等を通じて、労働時間の管理の適正化を図る必要があり、このような点に関する労使の主体的な取組を通じて、初めて賃金不払残業の解消が図られるものと考えられる。
 このため、本指針においては、労働時間適正把握基準において示された労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置等に加え、各企業において労使が各事業場における労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために講ずべき事項を示し、企業の本社と労働組合等が一体となっての企業全体としての主体的取組に資することとするものである。

 労使に求められる役割

(1)

 労使の主体的取組
 労使は、事業場内において賃金不払残業の解消の実態を最もよく知るべき立場にあり、各々が果たすべき役割を十分に認識するとともに、労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために主体的に取り組むことが求められるものである
 また、グループ企業などにおいても、このような取組を行うことにより、賃金不払残業の解消の効果が期待できる。

(2)

 使用者に求められる役割
 労働基準法は、労働時間、休日、深夜業等について使用者の遵守すべき基準を規定しおり、これを遵守するためには、使用者は、労働時間を適正に把握する必要があることなどから、労働時間を適正に管理する責務を有していることは明らかである。したがって、使用者にあっては、賃金不払残業を起こすことのないよう適正に労働時間を管理しなければならない。

(3)

 労働組合に求められる役割
 一方、労働組合は、時間外・休日労働協定(36協定)の締結当事者の立場に立つものである。したがって、賃金不払残業が行われることのないよう、本社レベル、事業場レベルを問わず企業全体としてチェック機能を発揮して主体的に賃金不払残業を解消するために努力するとともに、使用者が講ずる措置に積極的に協力することが求められる。

(4)

 労使の協力
 賃金不払残業の解消を図るための検討については、労使双方がよく話し合い、十分な理解と協力の下に、行われることが重要であり、こうした観点から、労使からなる委員会(企業内労使協議組織)を設置して、賃金不払残業の実態の把握、具体策の検討及び実施、具体策の改善へのフィードバックを行うなど、労使が協力して取り組む体制を整備することが望まれる。

 労使が取り組むべき事項

(1)

 労働時間適正把握基準の遵守
 労働時間適正把握基準は、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき具体的措置等を明らかにしたものであり、使用者は賃金不払残業を起こすことのないようにするために、労働時間適正把握基準を遵守する必要がある。
 また、労働組合にあっても、使用者が適正に労働時間を把握するために労働者に対して労働時間適正把握基準の周知を行うことが重要である。

(2)

 職場風土の改革
 賃金不払残業の責任が使用者にあることは論を待たないが、賃金不払残業の背景には、職場の中に賃金不払残業が存在することはやむを得ないとの労使双方の意識(職場風土)が反映されている場合が多いという点に問題があると考えられることから、こうした土壌をなくしていくため、労使は、例えば、次に掲げるような取組を行うことが望ましい。

(1)

 経営トップ自らによる決意表明や社内巡視等による実態の把握

(2)

 労使合意による賃金不払残業撲滅の宣言

(3)

 企業内又は労働組合内での教育

(3)

 適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備/U>

(1)

 適正に労働時間の管理を行うためのシステムの確立
 賃金不払残業が行われることのない職場を創るためには、職場において適正に労働時間を管理するシステムを確立し、定着させる必要がある。
 このため、まず、例えば、出退勤時刻や入退室時刻の記録、事業場内のコンピュータシステムへの入力記録等、あるいは賃金不払残業の有無も含めた労働者の勤務状況に係る社内アンケートの実施等により賃金不払残業の実態を把握した上で、関係者が行うべき事項や手順等を具体的に示したマニュアルの作成等により、「労働時間適正把握基準」に従って労働時間を適正に把握するシステムを確立することが重要である。
 その際に、特に、始業及び終業時刻の確認及び記録は使用者自らの現認又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録によることが原則であって、自己申告制によるのはやむを得ない場合に限られるものであることに留意する必要がある。

(2)

 労働時間の管理のための制度等の見直しの検討
 必要に応じて、現行の労働時間の管理のための制度やその運用、さらには仕事の進め方も含めて見直すことについても検討することが望まれる。特に、賃金不払残業の存在を前提とする業務遂行が行われているような場合には、賃金不払残業の温床となっている業務体制や業務指示の在り方にまで踏み込んだ見直しを行うことも重要である。
 その際には、例えば、労使委員会において、労働者及び管理者からヒアリングを行うなどにより、業務指示と所定外労働のための予算額との関係を含めた勤務実態や問題点を具体的に把握することが有効と考えられる。

(3)

 賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施
 賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施(賃金不払残業を行った労働者も、これを許した現場責任者も評価しない。)等により、適正な労働時間の管理を意識した人事労務管理を行うとともに、こうした人事労務管理を現場レベルでも徹底することも重要である。

(4)

 労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備

(1)

 労働時間を適正に把握し、賃金不払残業の解消を図るためには、各事業場ごとに労働時間の管理の責任者を明確にしておくことが必要である。特に、賃金不払残業が現に行われ、又は過去に行われていた事業場については、例えば、同じ指揮命令系統にない複数の者を労働時間の管理の責任者とすることにより牽制体制を確立して労働時間のダブルチェックを行うなど厳正に労働時間を把握できるような体制を確立することが望ましい。
 また、企業全体として、適正な労働時間の管理を遵守徹底させる責任者を選任することも重要である。

(2)

 労働時間の管理とは別に、相談窓口を設置する等により賃金不払残業の実態を積極的に把握する体制を確立することが重要である。その際には、上司や人事労務管理担当者以外の者を相談窓口とする、あるいは企業トップが直接情報を把握できるような投書箱(目安箱)や専用電子メールアドレスを設けることなどが考えられる。

(3)

 労働組合においても、相談窓口の設置等を行うとともに、賃金不払残業の実態を把握した場合には、労働組合としての必要な対応を行うことが望まれる。

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