介護保険とは
 介護保険を一言で表現すると介護を社会全体で支えあう助け合いの制度といえます。
 私たちの社会は、現在これまでに経験したことがない速いスピードで高齢化が進んでいます。今後、さらに寝たきりの高齢者や介護が必要な高齢者が増えることが見込まれており、「介護が必要になったらどうしよう」という思いは、高齢者の親族だけでなく誰もが共通に抱える不安となっているのではないでしょうか。また昨今、介護が必要な機関の長期化したり、介護する家族の高齢化等が進んでおり、親族による介護だけでは、十分な対応が困難となっています。
 今までは、高齢者を介護する家族介護の約9割を女性たちが担ってきました。横浜市では、主な介護者の約7割が55歳以上で、介護者の80%近くが女性であるという調査結果がでております。
 急速な高齢化社会の進展や今後における女性の社会進出の進展を考えると今までのように女性たちだけではこれらを支えていくことは難しいと考えられます。このような状況で介護問題は男性の生き方への問いかけも含め、今では大きな社会問題となっています。
措置制度から介護保険制度へ
 介護保険制導入前のこれまでは、高齢者の介護の問題は、「措置制度」を基本とする老人福祉制度がその中心の役割を担ってきました。この「措置制度」では福祉施設への入所に際して行政機関である市町村等がサービスの利用の優先順位を決定する仕組みになっています。現状では、所得が少ない人などの利用が優先的になっています。そしてその費用は公費によって賄われており福祉施設のサービスの利用者は、所得に応じて費用徴収が行われます。しかしながら介護の問題については、日本国民全ての人に起こりうる問題といえるので公費が財源である福祉で対応することは立ち行かなくなるとの考えられるようになりました。また中高所得者層については措置制度における福祉施設に入所するよりも一般の病院に入院する方が負担が少ないことなどから介護が必要となった時には、一般の病院に入院するといういわゆる「社会的入院」という問題も顕在化すようになったのです。
 このような背景から介護の問題を社会全体で支えあう介護保険制度が誕生しました。
 介護保険制度の特徴としは、社会全体で支えあうとの理念から強制適用の社会保険方式であるので、従来の「措置制度」とは異なり利用者が自ら欲するサービスを選択できるとうことが挙げられます。同時に私たちは保険料の負担という責任が生じてきます。そしてこの介護保険制度は、私たちの老後においてかかせない制度となりますので、しっかりと見守っていく姿勢が重要なのです。
用語解説
「措置制度」:社会福祉関連法に基づいて、都道府県や市町村等が社会福祉施設等に保護を必要とする人を入所させる措置をとるなど地方自治体が「措置権」を持つ制度です。その費用は公費で賄われ、入所する人には選択権がないことが特徴。

「社会的入院」:本来、治療を目的とする病院に急性期の治療を要しない高齢者(要介護者)を入院させること。社会的入院により次のことが問題となってきた。
1.病院は、その目的の違いから介護設備を十分整備されていないことから介護を要する高齢者の療養の場としては不適切であること。
2.治療を要しない高齢者を入院させることは、医療資源の非効率な使用をもたらす事でかえって医療費のコスト高を招いていること。